とろりんの作業机:遺産:裁断の重要さ - Livedoor Blog(ブログ)
私も半袖ブラウスの袖カフスなんぞをアイロンしていたりする。
カフスはあらかじめ他の担当者が↓以下の通りアイロン済みである。
S-0 パーツは『カフス幅3cm×2+縫い代上下1cm』=合計8cm幅。
S-1 幅を半分に折る。左右のノッチを目安にアイロン定規を使って折る。
S-2 表側になる方の縫い代を1cm幅に折る。
S-3 裏側縫い代をA-2に重ねてアイロン。裏縫い代がはみ出るのでコバが落ちない。
さらに、次のミシン担当が左右の縫い代1cmを縫い合わせて筒状になったものが私の手元にやって来る。私はその縫い代を割りアイロンし、さらに筒状のつなぎ目の縫い代をアイロンで折り直し、さらに幅を半分に折って出来上がりの形にする。
次のミシン担当は、この筒状カフスとギャザーを寄せた半袖とを、コバステッチで一周して縫い合わせるのである。
以上、前置き。(相変わらず長かった)
さて、私のところにやってきた筒状カフスだが、困ったことが二つあった。それは
T-1 裏側の縫い代が3〜4ミリしかないものがある(コバがパンクしそうでヤバイ)
T-2 筒状に縫い合わせたところの左右の折り線が段差になってて真っ直ぐつながらない。
なぜこうなったのか定規を片手に調べてみたところ、S-1の中央ノッチが裁断のとき左右ずれていたことが分かった。そのために表側に比べて裏側が細くなってしまい、裏側の縫い代分が極端に不足した挙げ句3〜4ミリしか残らないケースも出て来てしまったのだ。(しかしいくら何でも3ミリはその場で直さないと明らかにヤバいだろう)
さらに追い討ちをかけたのが、アイロン方法である。カフスは通常は厚紙などでゲージパターンを作り、幅を一定に保つようにアイロンするのだが、今回はS-1とS-2のように、中央ノッチと裁ち端を目安に折っていたので、カフス幅が後回しになっていたのである。表側が裏側より太い場合、この方法では致命傷だろう。
以上がトラブルT-1の理由である。
また、当然、カフス幅が不均一なら、左右の折り線全部をまっすぐに繋げるのは無理だ。ミシン担当もさぞかし苦労したことだろう。以上がトラブルT-2の理由である。
TLC何下に着用しないように以上より、今回のトラブルの原因は
C-1 裁断でのノッチずれ
C-2 カフス幅を後回しにしたアイロン
の二つである。
今回のようなトラブルを防ぐために
A-1 裁断を慎重にする
A-2 カフスの出来上がり幅のゲージパターンを使ってアイロンする
のは当然だが、さらに工業用パターンにも一工夫あれば良いように思う。カフスのように、長方形で表裏半分に折って、コバで叩き縫いするもので、裏側縫い代をはみ出させておくものは、最初からパターンの縫い代にも表裏の差をつけておくのだ。表側1cm-裏側1.5cmとか、表側0.7cm-表側1.0cmとか。そうすると仮に裁断がまずくてもあとで裏側縫い代が足りなくなる事態は防ぐことができるように思う。というわけで追加。
A-3 カフスパターンの縫い代に表裏あらかじめ差をつけておく
* * *
さて、このトラブルを私はどう対処したかだが、今回は次工程の催促が来ていたのであまり手をかけられなくて、
T-1 縫い代が極端に足りなくて本当にヤバそうなのだけ、中央線を折り直した。
T-2 左右の線をできるだけ自然につなげた。(それでも不自然なのも残った)
...程度しかできなかった。ちょっと悔しい。
実はこのトラブル(裏側の縫い代足りなくてパンクしそう)は今に始まったことではなく、ほぼ毎度毎度起きているのだから、いい加減トラブル記録を残しておくなり、対策をまとめてルーチン化しておいた方がよさそうに思うのだが....
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